こんにちは! 講師の天満屋です。
2016年11月13日は「Creative Solution Awards -2016 3rd Presentation-」の最終日でした。
前回の記事に引き続き、特別審査員としてお招きしたウジトモコさんの表彰式での様子をご紹介します。
最優秀賞を受賞した2Eチームの「音読の部屋」についてもコメントをくださりました。
「音読の部屋」は株式会社丸善ジュンク堂書店様に向けた提案で、その名のとおり音読をする空間提供するという企画です。
以下、ウジさんのコメントです。
前回述べた2つの評価基準
①「PRやイベントに終わらず、デザイン・設計されていること」
②「誰か一人が得をするようなアイディアではなく、そのアイディアによってたくさんの問題が解決し、多くの人が幸せになるようなインクルーシブ(inclusive)なアイディアであること」
に照らし合わせると、
・継続性のある内容と仕組みが提案できているところが優れている
・丸善ジュンク堂様への来店がゴールではあるが、ユーザーの様々なニーズに対応・展開できるところがインクルーシブである
この2点でこの企画はとても良いと思います。
たとえば「サラリーマンの憂さ晴らし」「小さい子どもを連れてお母さんが遊びに来る」「Podcastで耳から聞いて楽しむ」「ランキングなどでユーザーと本にこれまでになかった接点を作る事ができる」など様々な可能性を感じました。
さらに三つ目の視点として、
「社会的な背景が踏まえられていること」が重要です。
今、書店ビジネスは岐路に立たされています。街の本屋さんの閉店も相次いでいます。
でも、本という知的コンテンツのない街は、教育の危機にさらされてしまいます。
その問題に対して、日本有数の本の街・神保町にほど近いOCHABIの学生が「美術・デザイン」の力で問題解決に挑む意義もあります。
また、版元、仲卸、さまざまな視点の方々から本を売るための方法をそれぞれ模索されていますが、音読という視点は私が見かけた事がない新しいものです。
さらに「学校」というものは次世代に知見を受け渡す役目を負っています。そんな「学校」が、自分たちのビジュアルの力で「本」ひいては「教育」の問題を解決しようという提案になっています。
いろんな意味、可能性がたくさんあって、ぜひ実施してほしい提案だと感じました。
最後に全体への総評もいただきました。
一つ目は「PRやイベントに終わらず、デザイン・設計されていること」
二つ目は「誰か一人が得をするようなアイディアではなく、そのアイディアによってたくさんの問題が解決し、多くの人が幸せになるようなインクルーシブ(inclusive)なアイディアであること」
三つ目は「社会的な背景が踏まえられていること」
この三つをこれからもぜひ意識してください。
また、ここ神田という東京の真ん中で若いみなさんが学んでいる今が、みなさんのキャリアの起点になります。
ぜひこの瞬間を目・鼻・耳・肌でクリエイティブな感性で感じて、未来につなげて行ってほしいと思います。
また、有志での出展のなかには「去年悔しい思いをした課題に再挑戦」というものや「社会的課題の解決をデザインで」というものがありました。
「今日」「ここ」はゴールではありません。しぶとくやめずに、どんどん自分を塗り替えていって成果を上げて行ってほしいなと思いました。
ウジトモコさん、本当にありがとうございました!