夏期特別実習「デザインテクニック基礎」伝えたいイメージ

こんにちは。講師の青木です。

さて1年生は夏期特別実習に取り組んでいます。
前回の記事では、「作品」になるかならないかは、作者の中の伝えたいイメージが
どこまで明確に思い描けるかによる、という話をしました。

この記事を読んでいる人の中には、制作したい欲求があるのに、明確に思い描ける伝えたいイメージがないなんてありえない。って思う人もいるかもしれません。

これが以外と多いのです。逆にこの記事を読んでいる美術学生は考えてみてください。

例えば、「夏の暑い様子」を伝えたいとします。
これは伝えたいイメージでしょうか。
いいえ。
これは伝えたい事柄です。
夏の暑さにも色々あります。じりじりと日に焼けそうな暑さなのか、むしむしと汗が流れる暑さなのか。足の裏が焼けそうなコンクリートの物理的な暑さなのか。

どうですか?それぞれイメージが全く異なりますよね。

さてここから更に具体的に伝えたいイメージを探っていきます。
先ほどの「足の裏が焼けそうなコンクリートの物理的な暑さ」は夏のどういった情景を伝えたいためのモチーフなのでしょうか。
①暑くて視界が揺らぐ感じ?
②テンションの上がるハッピーな感じ?
③都会の中で感じる自然のパワフルさ?

例えばここで②を選ぶと、夏のコンクリートを描いて、本当にテンションの上がる感じになるのかを考える必要があります。

もしかしたら同じ足元でも、楽しそうな感じを伝えるためにはコンクリートよりも、プールサイドを描いたほうがいいかもしれません。

どうですか?
イメージが強固になればなるほど、モチーフも理由をもって選べるようになります。

冒頭で、作者側に「明確に思い描ける伝えたいイメージがない」という話をしました。
相手に何かを伝えたければ、まずこうやって具体的にイメージを作っていく必要があります。

伝えたいイメージを持つためには、自分自身の思考の整理が必要なのですね。

なんだか上手く人にイメージが伝わらないなぁと思っている人がいたら、ぜひ嘆く前に、自分自身が明確なイメージを持てているか考えてみるといいかもしれません。

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