【CSA -2024 3rd Presentation- 特別審査員】川﨑朱美子さんに密着取材しました(総評編)
こんにちは。講師の青木です。
さて1年生は夏期特別実習に取り組んでいます。
前回の記事で書きましたが、アナログ作業での制作は色々な力が身につきます。
1日目の色を作って塗る課題では、絵の具の色を混ぜてみることで、混色して作れる色を実感し失敗できない緊張感から集中力を鍛えました。
今日は2日目。
「文字」を学びます。
みなさんは「文字」の形を意識したことはありますか?
この文章も文字を使っています。
漢字やひらがな、カタカナ、アルファベットと日本では4種類の表記でみなさんに情報を伝えます。
グラフィックデザインをする人は、情報伝達の手段として「文字」を大変よく使います。
だからこそ文字について知ることが表現者にとって必要なのです。
いざ知識を得てみると、同じ文字でも様々な形を持っていることがわかります。
文字そのものをデザインしているデザイナーが、用途に合わせて制作しているからです。
例えば図の書体を見てみましょう。
左の「ヒラギノ明朝」と右の「教科書ICA」では同じ明朝体でも「しんにょう」の形が異なります。
「しんにょう」のように複雑な形は、印刷した時に潰れて読みにくくなってしまうことが多い為、「ヒラギノ明朝」のように省略されることが多いのですが、教科書ICAのように教科書に使われる書体の場合、子どもが間違って覚えないように、省略せずに表記する必要があるのです。
ひらがなの部分も随分形が違いますよね。
省略という違いだけでなく、与えられる印象自体も異なりそうです。
このように文字は書体によって形が変わります。
ちょっと意識してみるとここの文字の持つ形の違いが見えてきますよ。
みなさんも身の回りの書体の違いを探してみては如何でしょうか。
そこには「文字のデザイナー」と「グラフィックデザイナー」の心配りが見て取れるはずです。
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今回は株式会社モリサワさまに90分の文字に関するレクチャーを行ってもらいました。
実際に書体を作られているメーカーさんから直にお話を伺えて、とても面白い話を聞けました。
学生も知らないことばかりで、メモを取りながら聞いていました。
一つの書体をデザインするのに、書体デザイナーは全部で23,058文字制作するという話では、みんな思わず顔を見合わせるシーンもありました。
そうした書体デザイナーのおかげで、私たち制作者が様々な文字を扱えるのですね!
モリサワさん、貴重なレクシャーをありがとうございました!