「キッくんの消費生活講座」がオンエアされました。

講師の服部です。
今回は、千代田区消費生活センターのキャラクターを紹介します。

まずはこちらをご覧ください。

http://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kurashi/shohi/shohi/kikkun-movie.html

これは、御茶の水美術専門学校の学生チームが2009年に
千代田区消費生活センター様にプレゼンテーションさせていただいた
消費生活センターのキャラクター「キッくん」の消費生活講座の動画です。

通常、キャラクターデザインをする際には、
そのキャラクターが体現する商品や企画等があります。

デザイナーはその開発経緯や機能、効果を調査、分析し、
そこから得られる洞察から
どのようなデザインをすればお客様の情緒に訴えることができるのかを考え、
デザインの方針を決め、制作を進めていきます。

もし、全く同じ商品や企画が並んでいた場合、
あなたならどちらを選びますか?

その商品や企画をわかりやすく体現しているキャラクターがある
商品や企画を選びませんか?

ここにキャラクターデザインの活躍する場があるのです。

では「キッくん」をひも解いてみましょう。
消費生活センターは、消費者の悩みを丁寧に聞き、
その解決の糸口を見つける手伝いをしてくれる無料の相談所です。

区民の皆様にとって大変便利な相談所のはずなのですが、
「キッくん」が誕生するまでは、周知度が低く利用者が少ない相談所でした。

おそらく、相談所の機能が多岐に渡るために
区民の皆様は、何を話していいのかがわからなかったのでしょう。
私もそうでした。
そして、悩みの相談がなければ、そもそも相談所はその機能を果たせません。

そこで「キッくん」をデザインした学生チームは、
消費生活センターの「悩みを聞く」という主要な機能に着目したのです。

「聞く」という行為をわかりやすく表すデザインはないだろうか。

そして、悩みを聞いた後に、その悩みを解決してくれるという
メッセージを込めることは出来ないだろうか。

このような試行錯誤の繰り返しの中で、
再発見されたのが「耳」という漢字の形態です。

「耳」という漢字は実際に人間の耳を記号化したものであり、
主な機能は「聞く」ことにあります。

そしてこの「耳」という漢字をキャラクターに変えていく過程で、
学生チームは、左足を軸にして右足を上げるという
まるで「キック」をしているようなポーズを活かせないかと考え始めました。
消費生活センターの主な機能は「消費者の悩みの解決」です。
この消費生活センターの主な機能を振り返り、
学生チームに、悩みサッカーボールのように軽快にキックして解決する
姿に重ね合せられないかという発想が生まれたのです。

こうして誕生したのが「キッくん」であり、
このキャラクターには、ビジョンとして、
「区民の皆様の悩みをキックするように軽快に解決したいという」
メッセージが込められています。

どうでしょう?

もし、全く同じ機能を持つ消費生活センターが2つ以上、
自宅から全く同じ距離にあったとしたら、どちらを選びますか?

私なら「キッくん」がいる方を選びます。
グッズもほしいですしね。

デザイン・アートを仕事にしたいと考えているあなた、それは可能です。
ぜひ、御茶の水美術専門学校まで相談に来てください。