こんにちは! 講師の天満屋です。
前回の記事では、DTPという言葉の由来から、
時代の流れを感じてみました。
今回は、「どうアプリケーションと付き合うか」について
私の考えを書いておこうと思います。
ちなみに今回の画像は、私がよく使うグラフィックデザイン系のアプリと、
(同じようなアイコンが並んでますが全部バージョンが違うので、微妙に機能に差があります)
Macにもともと入っているアプリの一部を抜粋して並べてみました。
これだけでも結構な数です。全部の機能を覚える必要はあるんでしょうか?
結論から言うと、
アプリケーションはただの道具なので、使う道具は選べば良い! です。
裏を返せば、全部を知っている必要なんてない! ということなんです。
よくクリエイティブ系の求人などを見ていると
「Illustrator Photoshopが使用できる方」という記載があります。
でも「使用できる」って何をどのくらい?
その答えは「仕事の内容によって千差万別」なのです。
だからこそ、学生のうちは色々なタイプの制作に
なるべく数多くチャレンジすることによって、いろんな機能に触れておくのが大切。
数百ページのマニュアル本を端から端まで暗記しようとするよりも、
「こういうものを作りたい!」という気持ちに引っ張ってもらいながら、
わからないところだけ調べる、それが上達への一番の近道であるように思います。
「Illustrator、Photoshop、InDesignは使えますか?」という問いに対しても、
「数百ページのマニュアルを端からやりました」よりも
「雑誌の見開きを組んだことがあります」の方が、
使える度合いを示す表現としては、より具体的でわかりやすいと思います。
「ソフトを扱える」と
「優れたデザインができる」は
実はイコールじゃないんです。
たとえば出版物の場合には、
小さすぎる文字は読みづらいし、長すぎる行も読みづらいし、
選んだ書体の形が内容と合っていないと違和感を感じるし、
写真と説明文の位置がおかしいとわかりにくいし、
ページの中のどこからどう読めば良いのかわからないと、信号機の無い交差点みたいになっちゃう。
それに私はiphoneで書籍を読むのが大の苦手なのですが、
気持ち良く感じる画面(紙)の大きさというのも考えたいところ。
画面の大きさと、人が読める文字の量とサイズの兼ね合いで文字数が決まり、
その制限の中で言葉で表現する難しさ。どの写真をどこに入れるか、何を削るか。
そもそもその本を作ることによって、何を発信しようとしているのか。
考えるべきことは山のようにあり、アプリケーションはそれをやってくれるわけではありません。
技術は劇的に変わりましたが、人間がものを読む力・見る力の方は変わったんでしょうか。
そんなに大きくは変わっていないはずです。
読み手・受け手をどのくらい意識できるのかが、プロとアマチュアの違いだろうと思います。
ということで、私の授業ではアプリケーションの使い方のみならず、
そこらへんをいろいろ考える機会にしたいなと思いました。
そのぶん課題にかかる時間は増えてしまいましたが、得られるものもたくさんあったはず。
今回気づいた事を、自分自身の表現に生かして行ってほしいです。