卒業生インタビュー<金岡勇士さん>

デザイン・アート科2年次に編入学して、現在印刷会社にお勤めの卒業生、金岡勇士さん(2013年度卒業)はどんなOCHABI生だったのか、インタビューしました!

【プロフィール】
金岡勇士 慶昌堂印刷株式会社
「御茶の水美術専門学校 卒業制作展」奨励賞賞受賞


Q1.現在何をしていますか(2015年)
A1.DTPオペレーターの仕事をしています。
デザイナーが作った書籍の装丁(表紙・カバー・帯)データを受取り、それを印刷に適したデータにするために、正しい寸法になおしたり、画像の色調整をしたりする他に、試し刷りの手配や、実際に印刷する大きな紙のサイズに合わせて、データを配置する仕事などがあります。多い日は10数件扱いますのでどんどん技術があがっていきます。場合によっては売り上げカード、奥付、見返し、扉、バーコード、マンガや料理本のように絵や写真画像の多い本文(ほんもん。書籍の本体部分)を扱うこともあります。
職場ではMac 0S XでAdobe Illustrator CS3〜CS6を主に使います。サブマシーンにはOS 9で5.5〜10を入れてあり、クライアントにより、使うアプリケーションのバーションが違うので、それぞれに対応していきます。
残業は殆どなく休日もきちんとあって、自分のライフスタイルを保てるとてもいい職場ですよ。

Q2.OCHABIへの進学はどうやって決めましたか
A2.編入学が出来るデザインの学校だったからです。
高校生の頃は特にやりたいことがなくなんとなく千葉にある経済学の大学へ進学、大学卒業の頃もやはりやりたいことはなかったのですが、経済学なのでと地元富山の印刷会社の営業職に就きました。その中でも医薬品のパッケージを印刷する会社を選んだのは、右肩下がりと言われている印刷業会でも、医薬品なら需要はあるだろうと思ったからです。
当時は印刷業には特に興味はありませんでした。
製薬メーカーと印刷会社の間をつなぐ仕事を2年半していましたがデザイン知識がないために、クライアントの要望内容にも、デザイナーのデザインにも提案も修正も出せず、ただ伝達するだけで板挟みとなり、社内でも「何か提案して」と求められても知識がない為、的外れな内容になってしまったことも多々あり、もどかしかったです。
そんな中震災によって、東北に集中していたクライアントや製紙工場、インキ工場に大打撃があり、あっという間に状況が大変化してしまうという経験からここでの将来の展望がみえなくなり、この頃には印刷の仕事にも興味を持って来ていたこともあり、デザインの勉強をしようと決意して、仕事をしながら編入学先を探していました。
大学時代からOCHABIの存在は知っていましたが、他の専門学校の見学もした上で、絵が描けない自分でもゼロから出来て、2年で卒業出来ると思ったので編入学を決めました。

Q3.入学してからの1年を振り返り、印象に残っていることはありますか(2012年)
A3.入学してすぐ、ドミノで御茶ノ水のマップを作り、他には90秒で笑いをとれる映像を作りました。
後期には企業プレゼンテーションで、クライアントの「日本女子野球協会」「日本女子プロ野球機構」に対して応援ソングの提案をしました。何だか凄くがんばってましたね…
渉外活動として企業を訪問したのですが、電話でのアポイント取り、訪問先でのプレゼンテーションなど、前職の営業経験が思わぬところで役立ちました。
編入学生だったので、後期から就職活動の授業を受けていました。
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Q4.現在の活動で役にたった授業は何ですか。
A4.エディトリアルデザインと、カラーコンポジションという授業が役立っています。
エディトリアルデザインでは紙やインキなど材料について深く知り、現在の仕事で扱うデータの中で、組み方が間違っているかを見つけることができるのも、この授業のおかげです。
カラーコンポジションでは、多色刷りをする際に、何色から順番に重ねるのか、白抜きが出ないようにするには何層目を少し太らせるとよいか、とても参考になりました。
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Q5.進路決定をして行く時期は、どのように考えていましたか。
A5.印刷方面で、制作職を希望していました。
4月から面接を受け、説明会に参加して、じっくりと時間をかけて慎重に探そうと思いました。
書籍系をメインにパッケージ、他にもWEB、デザイン事務所、様々な職種をあたりました。
会社探しは若者向けの職安のジョブカフェに通い詰めて最大限活用しました。そこでは履歴書の確認、面接の予約の電話、面接での受け答えへのアドバイスなどをして頂き、多角的にあたることでだんだんと自分が何をしたいのかがわかって来て、とても助かりました。職安では年収、休日、働き方、労働条件等かなり細かく設定して日本全国から検索することが出来るので、学校に来る求人だけでは出会うことが出来ない職種や地域がたくさんあり、最適な条件を見つけられたと思います。
年齢的に中途採用枠になりますので、面接官から「先輩は年下になるけど、大丈夫?」と言われることがあり、いくら自分が「大丈夫です、気になりません」と応えても、やはりなんとなくやり難いのか、受かることはありませんでした。
今の職場で採用が決まったのは2月下旬でしたが、卒業式後すぐ通い始めました。
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Q6.3年生の時に印象に残っていることはありますか。(2013年)
A6.コマーシャルフォトという授業が面白かったです。
普段も撮影をしたくてデジカメを買って、撮影して歩いていました。そのうち雑誌などの写真を見ていると、よく考えられて撮られているのがわかるようになりました。
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Q7.卒業制作について聞かせてください。
A7,普段の目線を切り取って、写真に短い文章を添えた蛇腹折りの本に仕上げました。
「変と思うものを面白いと思えたら、世の中もっと面白くなるのでは」という考えを持っていたので、それをまとめていきました。
元から知っていたスポットの他にも千葉、東京を中心に面白いところを探して歩き倒しました。あまりにも探しすぎて、途中で「面白いって何だ!?」と見失った時期もありましたが、どうにか持ち直して最後までまとめられました。
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Q8.今後の予定は?
A8.もっと経験値を上げて、今の職場で成長していきたいです。ゆくゆくは書籍1本まるまるデザインまで任せてもらえるようになりたいです。
オペレーターは毎日たくさんのデザインに触れることが出来ますので、スキルも知識も上げることが出来ます。仕事の中には、まだ発売前のものも多くあります。そのためDTPオペレーターは、考えようによっては、最先端のデザインにいち早く触れる事が出来る数少ない職業と言えるかもしれません。デザインがしたいからデザイン事務所のデザイナーを真っ先に考えるのではなく、業界を幅広く見つめることでその先の展望を持つことが大事です。

金岡勇士さん、ありがとうございました!
注)在籍当時とインタビューした時点では授業内容に変更があります為、本文中に出てきた授業には現在行っていない内容もあります。