現在作家活動中の卒業生、小野川直樹さん(2012年卒業)はどんなOCHABI生だったのか、インタビューしました!
【プロフィール】
小野川直樹 作家
「御茶の水美術専門学校 卒業制作展」優秀作品賞受賞
「3331千代田芸術祭2013 アンデパンダンスカラシップ展」オーディエンス賞受賞
「第23回紙わざ大賞展」新生紙パルプ商事賞受賞、日テレスッキリ!!にて紹介
「フジテレビ アーホ!」つるつるアーティストとして出演
グランツリー武蔵小杉「折鶴PROJECT」アートディレクター
「第25回紙わざ大賞展」Pam賞 受賞 他
Q1.現在何をしていますか(2014年現在)
A1.折り鶴をモチーフとした作品作りや、アクセサリー販売をしています。
街にある折り鶴をモチーフとしたアクセサリーのクオリティに不満を持ち、若者が買いたくなるハイクオリティなものを作りたいと思うようになり、折り鶴のアクセサリーを作りはじめ、現在はデザインフェスタの出展販売、委託販売、通信販売をしています。
Q2.OCHABIへの進学はどうやって決めましたか
A2.母からの勧めです。
小さい頃から絵を描いたり、ブロックやプラモデル、折り紙が好きでよく作っていました。
高校では絵を描いていて、進路を考えた時に、母の知人でOCHABIを知る人がいて(デザイン業界で働いている方だったかと)、その人の勧めで母からも勧められました。 大学進学は考えていなくて、作品を制作をすることを母は応援してくれていました。
Q3.入学してからの1年を振り返り、印象に残っていることはありますか(2009年)
A3.チームワークが苦手でしたが、授業の制作は楽しかったです。
入学当時はしたいことも特になく、もともと個人制作が好きだったので、チームで取り組む企業プレゼンテーションは苦手でした。色んなジャンルを体験する授業では、特殊な技法で絵を描いたり、B3サイズの画面にモザイクで自画像を描いたのはよく憶えています。
Q4.2年生の時に印象に残っていることはありますか(2010年)
A4.プロダクトデザインを中心に勉強しようと思いました。
授業では「アイディアスケッチを次回の授業までに10数枚持ってくるように」という課題がよくでましたので、ネタ探しが必要になります。そういう時は秋葉原をうろうろしたり、ヨドバシカメラやヴィレッジヴァンガードなどよく行きました。迫られて「探すぞ」という目線でみると、結構見つけられます。時間さえあればネットサーフィンをして、それも重要な情報収集手段でした。
学内展示では数日前に制作を終えて、設営日も必ず時間を守っていました。自分の性格もありましたが、時間に遅れると他の人に迷惑がかかるので、自然と守れるようになりました。
あと、自分では憶えていませんでしたが、友人によると当時はいつも小さな鶴を折っていたそうです。
Q5.現在の活動で役にたった授業は何ですか
A5.木や紙、ハレパネ等を使ってモデルや製品の試作品を作るモックアップという授業で、カッターの使い方、立体物を作る時の図面引き、素材の扱い方が格段にうまくなり、美しい作業が出来るようになりました。
他には粘土の原型から型を取り、樹脂で同じ物を量産する技術を習うモデリングという授業も面白くて、授業で習ったこと以外のことも自分でネットで調べて色々試して、色んなものが作れるようになりました。
Q6.2年生は進路決定をして行く時期ですが、どのように考えていましたか
A6.希望する就職先もなく、何も決められずにいました。
しかし面談の際に「好きな道を仕事にするのもいいんだよ」という先生の言葉で就職以外の道もあると知り、何か違う形で仕事をする可能性を感じ始めました。
当時は友人たちと一緒に植栽を大事にする建築模型を作る会社でアルバイトをして、そこでは植栽の作り方、道具の使い方、景色の魅せ方などのテクニック的な部分と、時間を守ることや、社員さんたちの仕事をする真摯な姿勢が大変勉強になりました。
Q7.3年生の時に印象に残っていることはありますか(2011年)
A7.昔から好きな折り鶴をいつか作品にしたいと思っていましたが、3月11日の地震を経験して、形にしていくきっかけになりました。
連鶴で自画像を作る事にして、まずは折り紙会館に相談しに行き、どうやったらやりたいことが実現できるか探しました。
PCでモザイクの下図を作り、アクリル絵具で1枚1枚着彩して、カッターで切れ込みを入れて1088羽折りました。普段はあまり自己主張をする方ではないのですが、この作品を一番きれいに見せられる場所はここしかない!と思って、イレギュラーな場所での展示を学校に交渉して実現しました。しかし作業はやり遂げたけど、見栄えなど仕上がりはもっと上をいけたのではと反省しました。
Q8.卒業制作について聞かせてください
A8.進路決定やアイディア出しで難航して、とても焦っていました。
10月頃では色鉛筆を使った作品を考えていましたが、没になりました。その後なかなかいいアイディアが出てこなくて困っていたある秋の日、はらはら散る落ち葉を見てこれを鶴で表現してはどうだろうかと閃き、また、ものづくりの学校に居ながら周りの学生が折り鶴を折れないと言うことがわかり、その悲壮感から「これが折り鶴だっ!」と言う気持ちを込めて、鶴の樹の制作を決めました。
搬入まで延々と小さな鶴を折って樹につける作業を繰り返し、当時は時折余震もありましたし、期限も迫り焦っていた為、揺れて鶴が全部落ちるという悪夢を何度もみました。
卒業制作展では優秀作品賞を頂き、その後3331 Arts Chiyoda アートフェスティバル千代田芸術祭でも受賞しました。
Q9.卒業後はどのように過ごしていましたか(2012年〜)
A9.好きな作品を作っているだけでは生活出来ない、そう思いながら苦悩と模索をしていました。
折り鶴に対する存在意義について、とても悩み、迷っていました。折り鶴には「お見舞いの品」「病気になると登場する」「結婚式には出てこない」など、「鶴」はめでたいとされるが「折り鶴」はネガティブなイメージが強く感じられたからです。でも自分の中で折り鶴はこだわりのあるモチーフであることに変わりありませんでした。
卒業制作から数ヶ月の間折り鶴から遠ざかっていましたが、TVで陸前高田市の1本松を見た時に「樹を作ってみよう」と思いたち、卓上サイズの鶴の樹を作り、陸前高田市役所へ直接持って行きました。
千代田芸術祭での鶴の樹の出展をきっかけに、フジテレビ系「アーホ!」へのTV出演依頼、「折鶴PROJECT」参加のお話を頂きました。
2014年にはセブン&アイホールディングの大型商業施設「グランツリー武蔵小杉」にて展示中の、折鶴の樹のアートディレクションをさせて頂きました。デザインのコンペティション、金額の交渉、全てが初めての経験で勉強になりましたが、今回は自分でモックアップ(試作品)を作らなかったのですが、どうしても伝えきれないニュアンスがあり、改めてモックアップの大切さを知りました。
オープニングイベントでご来場されたお客様たちに鶴を折って頂いたのですが、小さい子も一緒になって鶴を折る姿を後ろからみていたら、なんだかジーンとしましたね。
Q10.今後の予定は?
A10.少し遠い未来かもしれませんが、海外で個展を開くことを目標に、日々制作をしています。
それは折り鶴なのか、もっと違う形なのかわかりませんが、自分の作品を世界に発信して行きたいと思います。
小野川直樹さん、ありがとうございました!
教務部 中野めぐみ
注)在籍当時とインタビューした時点では授業内容に変更があります為、本文中に出てきた授業には現在行っていない内容もあります。
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【活動報告】
卒業制作でも折鶴をモチーフとしていた小野川さんですが、現在も折鶴を色んなアイテムに展開して
活動しています。現在、OCHABIの受付カウンターには5mm四方の紙で折られた、極小折鶴が
置いてあります。お立ち寄りください。
【小野川直樹展】 ←NEW
会場:日本橋髙島屋2階アートアベニュー
開催日:2017年6月7日(水)ー8月1日(火)
開廊時間:10:30~19:30 *最終日17:00まで
所在地:東京都中央区日本橋2-4-1
【JAL 海外キャンペーン用動画】
【これまでとこれから】 *終了しました
会期:2016 11/1(火)~11/27(日)
会場:西武渋谷店B館8階 オルタナティブスペース
*入場無料 在廊予定日:11/5,6 11/19,20
【TV出演(予定)】
番組名 ワイド!スクランブル
放送日時 2016年7月13日(水)10:30~13:45
*番組の都合により変更になる可能性はあります。
【中目黒アート花見会「SAKURA Group」展】 *終了しました
会場:MDP GALLERY
開催日:2016年3月25日(金)ー4月9日(土)11:00~19:00
開廊時間:11:00~19:00
休廊日:月・祝(日曜開廊)
所在地:東京都目黒区青葉台1-14-18 1F
アクセス:東急東横線 中目黒駅正面出口より徒歩8分
TEL:03-3462-0682
花見会:2016年3月25日(金)15:00~18:00
レセプションパーティ:2016年3月25日(金)18:00~20:00
【デザイン・コード展~美の暗号~】 *終了しました
会期 2016年3月19日(土)~20日(日)
会場 六本木ヒルズ森タワー2F ヒルズカフェ/スペース
【Art on Paper】 *終了しました
会期 2016年3月3日(木)~6日(日)
会場 Art Market Productions
361 Stagg Street, Suite 407 Brooklyn, NY 11206
【TV出演】
番組名 ぶらり途中下車の旅 *終了しました
放送日時 2016年3月5日(土)9:25~10:30
【監修】
渋谷×キットカット/「受験生応援宣言」プロジェクト
渋谷駅に展示された大型絵馬の監修に携わりました。
特製ビジュアルのイラストを描いた江川達也さんは、特別審査員で来校されたことがあります。
【TV出演】 *終了しました
番組名 奇跡体験!アンビリーバボー
放送日時 2016年1月2日(土)18:30~22:00
*番組内で超すごい日本人として少し紹介されるそうです。
http://www.fujitv.co.jp/unb/index.html
【the art fair plus in ultra 2015】 *終了しました
会期:2015年12月18日(金)~28日(月)
*小野川さんは18-20日の「ex-chamber-museum」より出展
【現代茶ノ湯スタイル展 縁 – enishi-】 *終了しました
現代から未来につなぐ茶ノ湯シーンを、工芸・美術など多
会期:2015年11月18日(水)~11月29日(日
会場:西武渋谷店
B館3階コンポラックス
B館8階 特設会場・美術画廊・オルタナティブスペース・アートシ
【英国展】 *終了しました
折り鶴ピアス、鶴の樹の販売、折り鶴の実演を行います。
会期 2015年11月7日(土)~8日(日)
会場 新宿伊勢丹 本館5階
【第25回紙わざ大賞 入賞作品展】 *終了しました
★Pam賞 受賞
会期 2015年10月22日(木)~25日(日) 10:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場 銀座十字屋ホール 東京都中央区銀座3-5-4
【企業コラボアート東京2015】 *終了しました
会期 2015年10月10日(土)~11月3日(火)
会場 原宿・青山・渋谷・代官山・中目黒エリア
【TV出演】 *終了しました
番組名 ひるまえほっと
放送日時 2015年9月25日(金)11:05-11:54 NHK総合(関東地域のみ)
「@ほっと」のコーナーで15分程度を予定
【second approach】 *終了しました
会期 2015年5月22日(金)~6月13日(土) 11:00-19:00
オープニングレセプション:5月22日(金)18:00-20:00
休廊日:日・月・祝日
会場 MDP GALLERY
東京都目黒区青葉台1丁目14番18号1階
【Quest -selected by Masaharu Makuuchi/ex-chamber museum】 *終了しました
会期 2015年4月3日(金)~19日(日) 12:00~20:00
会場 六本木ヒルズ A/Dギャラリー(六本木ヒルズ アート&デザインストア内)
【TV出演】 *終了しました
番組名 世界が変わるバラエティー『アーホ!』
放送日時 2014年12月30日(火)深夜24:45〜25:45フジテレビジョン系列にて放送(ネット局数未定)
<出演者(敬称略・順不同)>
● アーティスト:ヤノベケンジ/明和電機/淀川テクニック/名和晃平/宮島達男/アントニー・ゴームリー/オノ・ヨーコ/猪子寿之(チームラボ)/堀本達也/小野川直樹 他
【折鶴PROJECT】 *終了しました
セブン&アイ・ホールディングスの大型商業施設「グランツリー武蔵小杉」の
開業記念モニュメント制作プロジェクトの、緑の折鶴による
「折鶴PROJECT」アートディレターを勤めました。
会期 2014年12月7日現在公開中
場所 グランツリー武蔵小杉 エントランスホール
神奈川県川崎市中原区新丸子東3丁目1135番地1号
【SHIBUYA STYLE vol.8】 *終了しました
鶴の樹とアクセサリーを出品しています。
会期 2014年12月2日(火)〜12月14日(日)
会場 西武渋谷店 B館8階美術画廊・オルタナティブスペース・アートショップ
【第23回紙わざ大賞 入賞作品展】 *終了しました
★新生紙パルプ商事賞 受賞
会期 2013年12月12日(木)~15日(日) 10:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場 銀座十字屋ホール 東京都中央区銀座3-5-4
【3331 千代田芸術祭 2013 アンデパンダンスカラシップ展】 *終了しました
★オーディエンス賞 受賞
会期 2014年1月25日(土)~2月3日(月)
会場 3331 Arts Chiyoda 東京都千代田区外神田6丁目11-14
【年のはじめ展】 *終了しました
会期 2014年1月4日(土)~8日(水) 11:00~19:00(初日のみ12:00~、最終日17:00まで)
会場 ギャラリーゆりの木 東京都国立市東1-15-20
【在校中の作品】
2011サマープレゼンテーション奨励賞
「Smile」