【CSA -2024 3rd Presentation- 特別審査員】川﨑朱美子さんに密着取材しました(総評編)
講師の安達です。
Creative Solution Awards – 4th Presentation-のメインビジュアルに、学生が授業の一環として制作・提案したものの中からデザイン・アート科2年生屋比久 友芽さんのデザインが選ばれました。
今回は屋比久さんに制作の背景についてインタビューしました。
講師・安達(以下、安達):ご自身のアイデアが採用されたと聞いた時、どんなお気持ちでしたか?
屋比久 友芽(以下、屋比久):最初にお知らせを受けたとき、まさか自分が!? という感情ばかりでした。今回のアイディアは自分でもとても気に入っていて、たとえ選ばれなかったとしても、就職活動に向けてのポートフォリオには、載せようと思っていました。
DMデザインにいつかは選ばれたいな、とは思いつつも、ほかの人の作品を見ると「すごいな」「自分は無理かもしれない」という思いがあったので、現実になるとは…………! 驚きでいっぱいいっぱいでした。
安達:今回、DMのアイデアはどのようなところから生まれたのですか?
屋比久:なんとなくおおきなかぶをひとりで抜けないのかなって考えていたことが発端です。お話のなかではたくさんの人や動物が協力していたので、ひとりでやるとなると、何かしらのギミックが必要ですよね。そこで、アルキメデスの原理を使えばいけそうだなと、描き起こしてみたんです。もともと、あんなにたくさんでやる必要がほんとうにあったのかな、ということまで考えてしまって……。
4thプレゼンテーションでは特に、2年生以上は前回と異なり個人での出展です。そういった意味も重ねていたのかもしれません。けれどアルキメデスの原理以外にもいろいろなパターンを描き出したり、また、そもそもかぶを抜くということ自体も別の案を出したり、とにかく数を出して、先生にも繰り返し相談をして、一生懸命やりました。
安達:なるほど。たくさんのアイディアのなかから、選んだものだったのですね。それでは、制作する上でこだわった点や苦労した点もあれば教えていただけますか?
屋比久:こだわりはオマージュ先である、おおきなかぶの雰囲気を出せるように注意していたところです。イラストレーターというソフトで描ける線は、きれいに整いすぎて、この絵を描くときに合わないと感じました。今までは避けていた手法でしたが、手描き感を大事にして、それでいて色味にもこだわりたかったんです。
私はパソコン上でしっかりと絵を描き込む経験が少なかったので、最初は苦労しましたが、手探りに使っている人の見様見真似で描きました。初めて板タブレットを使った色塗りに挑戦しましたが、ほとんど初心者なので使い慣れている友人に意見を聞いたりアドバイスをもらったりして、完成させました。
安達:こだわりの作品のために、新しい手法に挑戦してみたのですね。制作の幅が広がりましたね。それでは、アイデアやデザインを考えるときのために、普段から心がけていることはありますか?
屋比久:学校の先生がよく仰っているのは「数を出す」ですね。今回の作品でも、少なくとも25~50案は出したと思います。プロは3桁台も出すと聞いたので、私自身はまだまだ未熟だなと思いますが、こういった先生の言葉を思い出しながらデザインなどを考えています。
ふだん、通学電車の中で車内広告を見て、どんな内容のものが多いかとか、文字組みはどうしているだろう、たとえば週刊誌の広告だったら、どんなことが強調されているのかな、など考えています。
安達:OCHABIはチームで取り組む課題も多いですよね。個人制作とチームワークの違いって感じますか?
屋比久:チーム制作は他の人のアイディアと織り交ぜながら生まれますよね。私だったら絶対にこのアイディア出てこないなっていうのが多くて、すごく学びになります! 相手が持っている知識との違いや、異なる視点があるということを痛感します。
反対に個人制作は自由度がすごくあるなと感じます。そのぶん、何かと責任はいつも自分ひとりにかかってきますが。自分ってこういうのが好きなんだって再確認できる場面でもありますね。
安達:これからのOCHABI生活でやってみたいことはありますか? 新しくチャレンジしたいことや、引き続きがんばりたいことなどもあれば教えてください。
屋比久:私が好きなことは、絵を描くこととアプリのゲームをすることですが、それ以外の好きなものを見つけたいです! 今気になっていることは写真です。初期費用がかかりそうでなかなか手を出せていませんが、風景やとにかく目についたものを撮りたいです。そして学校生活では、朝が弱くてつい寝過ごしがちなのですが、たとえ寝坊してもなるべく間に合う電車には乗って、遅刻をしないようがんばって来ています。引き続き卒業まで、できるだけ寝坊せず、きちんと学校に来て学びたいと思います。
安達:のこりあと一年、引き続きがんばってください。では最後の質問です。ずばり、夢は?
屋比久:これになりたい! というのはまだみつかっていませんが、誰かの支えになれるような仕事や、人に喜ばれる仕事を模索中です。そうして得た自分のお金で、欲しいものを買える生活ができるようになることが、理想です。
屋比久さん、どうもありがとうございました!