こんにちは、指導部の戸田です。
前回は火災で処理施設が止まりごみが出せない、という庶民には一大事なニュースを取り上げました。
さて、みなさんはごみ処理施設を実際に見たことがありますか?
私たちの生活から出るごみは「一般廃棄物」と呼ばれ、自治体によっていくつかの種類に分けられています。
東京都(参照;
千代田区)の分け方では、
■可燃(燃やせる・燃える・燃やす)ごみ
■不燃(燃えない・燃やさない)ごみ…金属・刃物類、陶器、ガラス、小型家電製品、その他
■不燃ごみ…蛍光管、電池、水銀体温計、カセットボンベ、スプレー缶、ライター等
■資源ごみ…びん、缶、ペットボトル、古紙、その他紙
■プラスチックごみ
■粗大ごみ
といったところです。
ごみ処理施設はこれらが域内から収集され、集まるところ。
小学生の時に見学に行った方、多いと思います。
深~いコンクリートの穴にごみ袋がいっぱい溜まっている…そうあれですよ。
あれは「ごみピット」といって可燃ごみを処理する施設の入り口になります。
主に生ごみや紙くず、葉っぱなどがここに入ってきます。
(写真のように中では相当量の埃が舞っています)
このあと、高温で燃やして灰処理・ガス処理を行います。
その際もただ焼けばいい、煙を出せばいい訳ではなく、
国が定めた厳しい基準に則って環境を損ねないように徹底的に管理されたうえで処理がなされています。
では(粗大ごみを含む)不燃・資源ごみはどうするのでしょうか。
2000年代に入ってリサイクルの考えが広く浸透してきたこともあり、国内ではごみの分別が随分と進みました。
プラスチックの表示、ペットボトルの表示、アルミ缶の表示等、私たちは分別のためにごみ箱の前でまじまじと商品の裏面を見るようにもなりました。
これら不燃・資源ごみは、先の可燃ごみのようにパッカー車で集めるのではなく、都内だと軽四トラック等比較的小回りが利く方法で集められています。
粗大ごみはシールを買って収集の予約を取らなければなりません。
「ヤード」に集められたごみは破砕→選別→圧縮・埋立・リサイクルといったルートをたどります。
選別には“磁選機”を使った鉄選別、“ふるい選別機”を使ったペット・陶磁器・ガラス選別、“アルミ選別機”を使ったアルミ選別というふうに、何段階かの工程を踏みながらそれぞれに細かく分けていきます。
そしてアルミ缶やスチール缶、鉄くず、ペットボトルはそれぞれプレス機で圧縮成型して資源としてリサイクル業者に、陶磁器、ガラスは埋立地に向かうことになります。
今回はごみ処理施設とごみ処理の流れを簡単に見てきました。
中でも「ごみピット」はまさに大量生産した製品を大量に消費し廃棄するリニアエコノミー(直線経済)の終着点。
「ごみピット」や「ヤード」を眺めていると、人生の縮図を見るような感覚を覚えます。
そこには何万、何十万という人々の生きた証が刻まれているようです。
ごみに代表されるように、見たくないものを見えないようにすることは簡単です。
これとは反対に、OCHABIのみなさんには見たいものを見えるようにすることが、課せられた使命なのかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。