ポストカードデザイン作者インタビュー Creative Solution Awards -2017 2nd Presentation-

Creative Solution Awards -2017 2nd Presentation-
ポストカードデザイン作者 鶴居知代未さんインタビュー

こんにちは! 講師の天満屋です。
Creative Solution Awards -2017 2nd Presentation-のポストカードデザインは学生が授業の一環として制作・提案したものの中からデザイン・アート科2年生 鶴居知代未さんのデザインが選ばれました。



<作品の解説>
「溢れるアイディアで、社会の問題を解決する」というOCHABI生の目指すクリエイター像を
「目玉焼き」というユニークなモチーフで表現しています。
画面からはみ出すほどの、目玉焼きのダイナミックさ。
鮮やかな色同士をぶつけ合うことでモチーフのシルエットを際立たせた、夏らしい配色が目を引きます。
また目玉焼きの黄身の「とろ〜り感」と「IDEA」というメッセージを、うまく共存させています。
最終案にたどり着くまでに出したバリエーションの数が、鶴居さんのデザイナーとしての意欲と
表現へ追求心を感じさせます。

鶴居知代未さんに制作の背景についてインタビューしました。

DSC_6745


講師・天満屋
(以下、天満屋):採用おめでとうございます。自分のアイディアが採用されたと聞いた時、どんな気持ちでしたか?
鶴居知代未(以下、鶴居):最初はすごくびっくりしました。ほかの人たちのアイディアを「すごいな〜面白いな〜」と思って見ていたので、自分が選ばれるとは思ってなかったんです。それにその授業には、上級生も混じっていたので、その中で選ばれたと知ったときは、本当におどろきましたが、とても嬉しかったです。

天満屋:どのようにアイディアを出したのですか?
鶴居:まずは『Creative Solution Awards』で連想する言葉、というのを100個出すところから始めました。その中からイメージを膨らませて、ラフをいっぱい描きました。
「目玉焼き」は最初から思いついていたわけではなく、作業の中盤くらいに出て来ました。

DSC_6763

天満屋
:そうだったんですね。「目玉焼き」は、どのようなキーワードがもとになったんですか?
鶴居:「アイディアがあふれる」ですね。この「あふれる」という部分から色々な連想をして行きました。
画像検索なども使ってイメージを膨らませていたのですが、その中で目玉焼きの写真が目に入って来たときに、
デザインのイメージがパッと思い浮かびました。

天満屋:制作する上でこだわった点や難しかった点があれば教えてください。
鶴居:黄身があふれ出た形と、IDEAという文字の形、ですね。
黄身を写実的な形に近づければ近づけるほど「IDEA」が読めなくなってしまい、読めるようにしようとすればするほど、黄身っぽくなくなってしまって。
ほどよい中間地点を目指してがんばりました。
レイアウトもけっこう悩みました。イベントのタイトルや日付などの文字も目立たせたかったのですが、メインの「目玉焼き」や、それを割るための重要なモチーフである「おはし」の存在感が薄くなってしまうのは避けたかったので、そこも苦労しました。
構図も、最初はもっと引いてたので目玉焼きが小さかったのですが、もっと寄ってみたり、角度を変えてみたり、とバリエーションをたくさん出しました。
最後の最後は、やっぱり文字の入れ方で、またさらに悩みました。

天満屋:私も悩みました(笑)「どれがいいと思いますか?」とIllustratorのファイルを送ってくれたのですが、開いてみるとバリエーションが多くて、すごいな、と。
鶴居:すみませんでした(笑)

DSC_6735


天満屋:アイディアやデザインを考えるときのために、普段から心がけていることはありますか?
鶴居:うーん。そうですね…。やっぱりレイアウトで悩んだり、目指したい雰囲気があるのに表現がうまく行かない時は、Pinterestなどの画像を見ます。そうすると「こういうやり方もあるのか」と、良い刺激をもらえます。

DSC_6784


天満屋
:OCHABIの授業はチームワークも多いですよね。個人制作とチームワークの違いって感じますか?
鶴居:個人制作だと、作業は進みやすいです。でも、これで良いのかどうかを判断する時に、悩んだり時間がかかったりするように思います。チームワークでは、お互いにアドバイスしあったり、人の数だけ案が出てくるので、自分一人で考えるよりもアイディアの幅も拡がるし、可能性が拡がります。

天満屋
:なるほど。ではチームワークに難しさを感じるポイントはありますか?
鶴居:いろんな意見が出るので着地点に行くまでが大変です。一人の時よりも多くのプロセスが必要になり、結果的に時間がかかることが多いように思います。
天満屋:たしかに、一人でやることだと、自分で考えて決めれば良いだけですから、チームに比べるとそこは速いかもしれないですよね。

DSC_6790


天満屋:最後の質問です。これからのOCHABI生活で、やってみたいことはありますか? 新しくチャレンジしたいことや、引き続きやりたいことなどを教えてください。
鶴居:自分のデザイン案が採用された経験はこれまでなかったので、今回はとても嬉しかったです。これからは、自分のデザインを人に見てもらう機会を、自分から作りたいです。コンペティションに参加したり、学外でも展示会をしてみたいです。
御茶ノ水界隈で展示してみたいですね。いろんな人に見てもらって、いろんな人にプレゼンテーションして…そういうことを自分から積極的にやってみたいです。
天満屋:おお〜、言いましたね(笑)
鶴居:言っちゃいました(笑)これからがんばります。どうしても人に見せるとなると緊張しちゃうんで、直したいんです。
天満屋:緊張、いいじゃないですか、緊張するって素敵ですよ。
鶴居:少しでも慣れたいんですよ〜!

DSC_6793

天満屋:さきほど最後と言いましたが、ひとつだけ追加したいことが。DMのデザインが、大型出力されて路面に向けて飾られたのを見たとき、どんな気持ちでした?
鶴居:通りがかるたびに、へんな気持ちになりました。嬉しいような恥ずかしいような、なんとも言えない…DMを近隣のお店に置いてもらったりしてたんですけど、それを見たときもへんな気持ちでした。
天満屋:その気持ちは、いやなものでしたか?
鶴居:いえ、表現するのは難しいけど、へんだけど、たぶん嬉しい気持ちです。

天満屋:では、これからたくさんの人に、たくさんの作品を見てもらって、たくさんへんな気持ちになって行ってくださいね。本日はありがとうございました。
鶴居:ありがとうございました。




これまでの採用者のインタビュー記事はこちら。

天満屋のほかの記事を読む