【CSA -2024 3rd Presentation- 特別審査員】川﨑朱美子さんに密着取材しました(総評編)
こんにちは! 講師の天満屋です。
Creative Solution Awards -2016 4th Presentation-のポストカードデザインは学生が授業の一環として制作・提案したものの中から高度イラストレーション科編入3年生 東郷友紀さんのデザインが選ばれました。
<作品の解説>
「難しい問題を、クリエイティブなアイディアで気持ち良く解決する」
というOCHABI生の活動目標を「快決」という明快なコピーとビジュアルで表現しています。
画面を単なる描画範囲として捉えるのではなく、画面そのものを構成要素としてデザインしている事と、
スッキリと伝えるために、非常に気を配って形を仕上げている事から、
「快決」というコピーへの洞察の深さと、表現へのモチベーションの高さがうかがえます。
漢字のコピーに合わせてポストカードを縦位置にしてるところも、面白いと思います。
ひとつひとつの表現の選択と、きちんとした理由づけに、東郷さんのこだわりと人柄を感じます。
東郷友紀さんに制作の背景についてインタビューしました。
講師・天満屋(以下、天満屋):採用おめでとうございます。自分のアイディアが採用されたと聞いた時、どんな気持ちでしたか?
東郷友紀(以下、東郷):予想外だったのでびっくりしました。授業のときは、ほかのみんなが良いアイディアをたくさん出していたように感じていました。私は自分の案のビジュアルに納得が行ってなかったので、採用されて驚きました。
天満屋:どのようにアイディアを出したのですか?
東郷:最初は「悩みきる」というキャッチフレーズを主体にしたデザインを考えていたんです。でもいろいろ進めていくうちに「悩む」を前面に出すよりも、悩み切ったあとの爽快感を表現したいなと考えました。先生にも相談しながら案を練り直して、そこから出てきた言葉が、今回の最終案の「快決」です。
天満屋:「快決」という言葉が浮かんできた時、どんな感想を持ちましたか?
東郷:「解決」を「快決」としたことで、私が伝えたかったメッセージを込められたのではないかと思って(胸のあたりに手を置いて)すっきりと来ています。
天満屋:制作する上で苦労した点があれば教えてください。
東郷:文字が文字のように見えない、「地」と「図」の関係の作り方です。背景と図形が一体となるような形を作るのに苦労しました。文字の形をとりながらその間のスペースを三角形で構成していったのですが、全体が気持ち良く見えるように作るのが大変でした。
天満屋:大変と言いながら、少し楽しそうな表情にも見えるのですが(笑)
東郷:(笑)。シンプルな図形を使って全体を整えていくうちに、面白い形ができてくるのが楽しかったです。気持ちよかったです(笑)
天満屋:色の選び方については、何を基準に選びましたか?
東郷:スッキリ感や爽快感が伝わるような色を選びたいと思い、青を基調とした配色を考えました。ですが全部を青で作ってしまうと、冷たくて寒い印象になってしまうな、と気付きました。そこで紫や黄色を取り入れて、「爽やかだけど冷たくない」印象の配色を考えました。
天満屋:アイディアやデザインを考えるときのために、普段から心がけていることはありますか?
東郷:えー!…なんだろう。そうですね…いいものを見よう!と心がけてます。あとは「もっといいものが考えられるんじゃないか?」という可能性を、自分の中にずっと持つようにしています。
天満屋:OCHABIの授業はチームワークも多いですよね。個人制作とチームワークの違いって感じますか?
東郷:チームワークのほうが、できることの幅が広くなります。一方でみんなの頭の中を統一するのが大変ですが、そこが面白いところでもあります。個人制作は、自分の好きなようにできるのはすごく楽しいのですが、「これでいいんだろうか?」という不安がずっとついてまわるように思います。自分に自信を持たないと、発表できないです。
天満屋:そうですよね。一人だと、決めるのも自分、やるのも自分、ですものね。
東郷:孤軍奮闘です。
天満屋:最後の質問です。これからのOCHABI生活で、やってみたいことはありますか? 新しくチャレンジしたいことや、引き続きやりたいことなどを教えてください。
東郷:もっと作品をいっぱい作ってみたいです!それを友達や先生に「発表する」というより「発表しあう」みたいな機会を積極的に持ちたいです。『学生創造市場』にまだ出展したことがないので、ぜひチャレンジしたいです。
天満屋:これからも学校生活を充実させてください。今日はお疲れさまでした。
東郷:ありがとうございました。
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