卒制作品を振り返って③

こんにちは。講師の青木です。
ochabiでは先日卒業制作展「OCHABI CREATIVE FAIR 2016 -欲しいからつくりました-」が開催されました。
ご来場いただいた皆さま、楽しんで頂けましたでしょうか。

この展示では学生自身が欲しいものを制作し社会に提案し、それに対し作品を購入したい場合は作者と交渉できるという試みでした。

今回は展示の記録として私が欲しいと思った作品を紹介いたします。

3つ目は大沼さんの作品「いちにち」です。

この作品は14冊の絵本作品で、それぞれの絵本は地球型のオブジェにある各地域から吊るされています。
大きな樹が植わっている場所から吊るされた絵本は、苗から樹を育てて来た男の人生の話。
2人の人が向き合っている場所から吊るされた絵本は、仲良しの双子の話。
その他、雨が降っていて退屈な日を過ごす人。幸せな時間を過ごす人。
すべてのお話がストーリーも絵柄もガラリと変えて綴られています。

けれど絵本の終わり方は全部の本が同じ一文が載っています。

”いちにち”は私のもので
明日もきっとやってくる。
今日いちにちに
なにをもとめよう。

今日いちにちをどうすごそうか。

メッセージブックというカテゴリーに属すのかもしれない作品ですが
何冊もに分けることで、読む人にとっての解釈が広がる作品になっていると思います。
地球型のオブジェも魅力的なので、ディスプレイのあり方としても面白い作品でした。

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