第1 章 新しいリーダー論
リーダーは激しい状況変化の中で、常により良い判断を求められています。つまり、川のように流れる大量の情報に注意を払い収集することを課せられているのです。しかし普通は、常に新しい情報を取り入れながら判断をすることは、脳に大きな負荷エネルギーを強いますから、すでに体験済みで良く知っている「既知情報」は、ほとんど認識することや判断されることはなく自動判断されます。これがパターン化です。普通のオフィスワーカーが陥りやすいのが、このパターン化した脳処理の方法です。人は誰でも脳に余計な負荷をかけたくないと思っています。これも一つの考え方でしかないのですが、脳を常に休めている状況に置いてしまうのです。
つまり人は見たいものしか見ないという効率的な情報処理方法を取っているということです。人は元々そのようにデザインされています。ほっておくと、人は新しいものを受け入れにくい脳のメカニズムを持っています。
変化に乏しく、安全だということを認識した人々は、その世界からはみ出そうとはしないのが自然ということになります。時には新しい情報を、それは役に立ちそうもない情報と切り捨てる判断をしがちにもなります。サークルの内を向いている意識です。