【国内文化研修】 第2回:学生プレゼン発表編

都会の感性は、街の価値になる。『私たちの視点』
4日間にわたる国内文化研修の締めくくりとして、特別審査員に「きっかけオノミチ合同会社」代表の後藤峻さんをお招きしました。尾道でコワーキングスペースの運営や移住定住コンシェルジュとして活躍し、地域のキーマンである後藤さんからの言葉は、クリエイターを目指す学生たちにとって非常に大きな財産となりました。
後藤氏からは、まず「都会のあたりまえが生み出せる価値」について、非常に心強い評価をいただきました。例えば、学生たちが直感的に感じた「尾道は色が多い」という発見。後藤氏は「昭和からのビビッドな看板などが残っていることが要因だが、それを『色を巡る』と表現したのは素晴らしい着眼点」と絶賛されました。
また、SNS向けの動画制作についても「行政では難しい表現を、『若者が見たい映像』のサンプルとして提示することには大きな意味がある」と、プロの現場でも即戦力になる視点だと心強い評価をしてくださいました。

一方で、プロの指摘は甘くありません。
「アイデアは面白いが、誰が予算を出し、どう回収するのか。実行主体は誰か」という、ビジネスとしての厳しさを問う鋭いフィードバックもいただきました。例えば、「平日の来訪者不足」という課題に「浪人生」という意外なターゲットを掛け合わせたチームに対しては、その着眼点を高く評価しつつも、「浪人生がプレッシャーの中で本当にお金を払って来るか?という価値提供の深掘りが必要」と、企画を「仕事」にするための本質的な課題を提示されました。
最後に後藤さんから贈られたのは、「アイデアで終わらせず、授業の枠を超えて、実際に何かを形にするきっかけにしてほしい」という熱い期待のメッセージでした。
特に、尾道の色彩に着目したチームに対しては、「私のコワーキングスペースにあるトイカメラを使って、この『色巡り』を実際のサービスにできるかもしれない」という具体的なコラボ案まで飛び出しました。トイカメラを手に街を歩くことで、尾道滞在に自分だけのテーマが生まれ、それがSNSでの発信にも繋がっていく。そんな「未来の景色」をプロの視点で語っていただいたことで、学生たちは自分のアイデアが社会を動かすリアルな可能性を、肌で感じていました。

「自分の視点が、プロに認められ、社会の課題を解決する力になる」。そんな成功体験と、次なるステップへの課題を得た濃密な4日間。この研修を経て、1年生たちはまた一回り大きな「クリエイターの顔」へと成長しました。
今回特別審査員を引き受けてくださった後藤様
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後藤 峻(ごとう たかし)
きっかけオノミチ合同会社 代表社員
京都市生まれ。大阪外国語大学卒業。2015年に尾道へ移住し、シェアオフィス「ONOMICHI SHARE」で8年間勤務。独立後は2024年12月に「コワーキング&コミュニティハブbench!」を開業。尾道市の移住定住コンシェルジュや尾道商業高校での産業教育コーディネーターも担当。地域内のさまざまなコミュニティの接続から何かが生まれるきっかけづくり、後進の育成につとめる。