成果報告書「スマホでキャリア・アップ『新規事業開発型デザイン・アート思考』社会人学び直しプログラム開発実証」
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11モチーフ(対象)を見てデッサンやイラストを描くことが、「Observation:観察すること」の最高のトレーニングになるという発見があります。・絵が描けない人は、描ける方法論(スキル)がないこともありますが、ほとんどは描こうとする対象を「よく観ていない」という事実があります。対象の観方を知らないからです。・描くのが苦手な人は、コップ一つ描くにしても、自分の視点が変化するとコップの奥行きも変化することに気づいていない人がほとんどです。コップの底から観れば円ですが、観る角度によって楕円の割合が変化します。・コップには、その部屋の光があって、光源が多ければ多いほど実に複雑な光の反射を映し出しています。そして光があれば影が生まれます。特に机との接地面は強い影を生み出しています。・このように「よく観る」ことの本質は、「よく見ていなかった自分に気づくこと」です。・これが「狭い情報インプット」の構造です。視覚情報は聴覚情報や嗅覚情報に比べると指向性が高いので、「得たい情報を意識して向かなければ得られない」ということがあります。簡単に言えば「顔を向けなければ」見えないということです。・逆に聴覚や嗅覚は360度情報です。大きな音や嫌な臭いが背後でしても、人は気づくことができます。しかしその原因は視覚しなければ判断することができません。人は「五感情報」を「脳内で統合しながら行動判断している」という関係性が見えてきます。
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