成果報告書「スマホでキャリア・アップ『新規事業開発型デザイン・アート思考』社会人学び直しプログラム開発実証」
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10【デザイン思考をより現実化するアート思考】・IDEOの「デザイン思考の方法論」は、IDEO自身の企業へのアプローチ方法としても機能していました。現在「デザイン思考」はアメリカ企業ばかりではなく日本やアジアの多くの企業にも取り入れられて、IDEOは世界的なコンサルティングファームへと進化しています。・OCHABIは、この「デザイン思考」への異なる方法論によるアプローチを実施していました。それはデザイン・アート科の1科制としてスタートした1993年にまで遡ります。デザイン・アート科は、デザインとアートを統合教育する科として構築されました。・このデザイン・アート科の教育プログラムのコンセプトが「ゼロワーク」です。常にクリエイティブは、一切の既成概念を取り払い「ゼロの視点」から始めるという思考法でした。つまり「Observation:観察すること」をゼロから始めるというスタンスです。これは1955年の創業者服部博太郎博士が教育方針として述べた生物学学者であった科学的視点「よく観る」という理念を引き継いだものです。・2014年度文科省事業として行った「専門学校及び企業のための情報デザイン能力育成研修モデルカリキュラムの調査・開発・実証」における教材INSPIREでは、「情報デザインは私と日本を成長させる」というサブタイトルを付けました。・優れたデザインを生み出すための最も大切な始まり、「Observation:観察すること」は、どのような方法論が優れた観察なのかという課題を解決しようとしています。・優れたデザインを生むための「優れた観察」は、いかにしてできるのか?これこそが大きな教育的課題です。人は普通、よく見なさいと言われると「よく見ています」と答えます。少し注意してみる程度を「よく見ています」と捉えているからです。ここに2015年度文科省事業ENHANCINGのサブタイトルに引き継がれた「情報デザイン」の重要性があります。

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