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地球環境からの情報は人の捉え方で変化するこの視点を人類に提案したのがアメリカの知覚心理学者のジェームス・J・ギブソンのアフォーダンス(affordance)という造語による概念の発見でした。彼によるアフォーダンスの定義は、「動物(有機体)に対する刺激という従来の知覚心理学の概念とは異なり、環境に実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索することによって獲得することができる意味/価値である」というものです。「アフォーダンスの概念の起源はゲシュタルト心理学者クルト・コフカの要求特性(demand character)の概念、あるいは同じゲシュタルト心理学者クルト・レヴィンの誘発特性(invitationcharacter)ないし誘発性(valence)の概念にある」とギブソンは自ら述べています。 異なる言い方では「環境が動物に対して与える意味」とも述べています。1988年、ドナルド・ノーマンはデザインの認知心理学的研究の中で、アフォーダンスを「モノに備わった、人が知覚できる行為の可能性」と意味づけました。

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